映画「怒り」2016/10/04

 ブログアップ忘れ2本目は、李監督作品の「怒り」

 こちらは、その前に観た「君の名は。」とは真逆といってもよい重いテーマの作品でした。

 今の社会に渦巻く沢山の重い問題が絡んでいて、心にズシンと響く重低音のような映画。

 犯人に似た三人の男を中心に描かれていますが、殺人犯だったのは、一見人が良さそうに見えつつ、社会のどこにも繋がろうとしない根無し草のような男。
 後の二人は、社会に怒りは持っていても、懸命に根を下ろそうと努力している男。そんな風に私は感じました。

 人間の感情の喜怒哀楽の中で、一番他人と共有しづらい‘怒り’という感情と、どういう風に自分で向き合っていくのか・・・。

 私達の社会が不安定な方向へ向って行く時、どんどん人の繋がりが、横の繋がりから上から下への縦の繋がりの方が強くなっていくように感じます。

 会社ならば上司から部下へ、政府から国民へ・・・。世の中が怪しい方向へ向う時、私達の中にある怒りの感情が巧みに利用されていくような・・・不安。
 
 過去の歴史をみても、人間の怒りの感情が危うくコントロールされた時に、戦争などの悲劇が起きているのではないかと・・・。

 疑心暗鬼に陥った時、誰を信じ、誰を疑うのか??

 人を信じきる事、怒りと向き合う事。なかなか難しいですが、その事に真摯に向き合うことの大切さを感じた映画でした。

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