不毛地帯2011/12/07

 山崎豊子著の“不毛地帯”をやっと読み終えました。
 なんと・・・二年がかり。一巻読み終えては全く別の本を読んだりとお休みしつつの全五巻。(苦笑)

 主人公は戦前は大本営陸軍作戦参謀の軍人として、戦後シベリア抑留後なんとか生きて帰国。そして商社の幹部として生き抜いていく姿が描かれています。

 著者は前半をシベリア抑留から始まる白い不毛地帯、後半を石油開発で終わる赤い不毛地帯という構想で執筆されたそうです。

 今年は明日で太平洋戦争開戦から70年目を迎えるわけですが、あの戦争に突き進んだ理由の一つに‘石油’についての国のエネルギー政策が関連していたこと、そして今年の3月11日の大震災で起こった原発の事故もまた国のエネルギー政策が関連している事に今更ながら深く考えさせられました。

 過去の歴史から学び、現在そして未来へ生かすことが日本は欠けていたのかもしれません。
 天災と人災が重なってしまった3月11日の大震災。
 ‘魔法のエネルギー’、‘夢のエネルギー’など本当は無かった。その事に気付きしっかりと受け止めなくては!

 3月の原発事故後も巨大ビジネスの側面を持つ原発事業は、輸出推進へと粛々と舵をきっています。
 (役者は東京電力から関西電力へと移りましたが・・・)
 核技術を保有することで潜在的な抑止力とするなどという「技術抑止」論まで最近出てきているのは、本当に恐ろしい限り。

 政治や経済、世界情勢に常に関心を持ち続けなければ本当の意味で子供達を守る事が出来ないと新聞記事に載っていましたが、私も同感です。

 私が子供の頃、さらっとしか習わなかった日本の近代史。
 あらためて明治以降の歴史について深く学ぶ必要があるのかもしれないと最近感じています。そして原子力についても。

 来年は娘を連れ「広島」へ行ってこようと思っています。